副作用の我慢

したがって薬を飲んでもすぐに効かないからと中止することは危険です。抗精神病薬の飲みはじめは、眠気、ふらつき、便秘、日渇といった副作用が出てきます。薬を飲んですぐに副作用のほうが先に出てきてしまうところに、この薬の使いにくさがあります。しかし、多少の副作用の我慢があれば、やがて鎮静作用、もう少し時間が経てば抗幻党。妄想作用が現われます。抗精神病薬もいろいろなものが出ているので、その人の体質に合わないならば、すぐにほかのものと替えられます。薬の投与を受けたとき、自分に合わないといってあわてたり、あきらめたりしないことが重要です。ほかの薬に替えることによって、自分にあった薬を見つけられます。ハロペリドールのような抗幻党・妄想作用の強い薬の副作用は、主に錘体外路系のものです。具体的には手足のこきざみな震え、歩きにくい、顔の表情の乏しさ、といったパーキンソン症状です。あるいは、じっとしていられないアカチジアという症状が出ることがあります。アカチジアのほうがつらいもので、早急に副作用上めを飲んで(ときに注射で)対処しなければなりません。鎮静作用の強いレポメプロマジンなどの副作用は、血圧を下げること、喉の渇き、日渇、便秘などです。これらの薬にはなべて薬物性の湿疹がおこることがあるので、注意が必要です。そのほか、薬物全般にいえることですが、肝臓障害が出ることもあります。

 

 

抗うつ剤はアミトリプチリン(トリプタノール)とイミプラミン(トフラニール)が主たる薬です。アミトリプチリンは、焦燥感が強く不安の強いうつ、別名、焦燥型うつと呼ばれるうつ病に有効です。とくに、自殺傾向の強い人には有効です。逆に意欲がもてず、何もしたくないまましっとしている抑制型うつにはイミプラミンが有効です。しかし、アミトリプチリンにしてもイミプラミンにしても、効果が出るには一週間から三週間、一か月といった長い時間が必要です。急な効果が期待できない上に、先に副作用のほうが出てしまいます。効果を待てなくて患者さんが薬を勝手に止めてしまうと、うつ病の改善が遅れてしまうので我慢強さが必要です。

 

 

抗うつ剤の副作用はふらつき、眠気が一般的です。さらに喉の渇き、便秘もあります。眠気については、治療上眠ったほうがいいので、この副作用はときに好ましいこともあります。抗うつ剤は、およそ七〇%の効果があるといわれています。この数字は大変に驚異的です。七〇%の効果を誇る薬はそうあるものではありません。さらに、抗うつ剤もさまざまなものが開発されています。その人の体質に合った薬を見つけることは、そんなにむずかしいことではありません。クロミプラミン(アナフラニール)は、抗不安作用や強迫症状にも効果のある抗うつ剤として特異的な薬です。