抗不安薬は重要な薬

抗躁剤は炭酸リチウムです。きわめて素朴な構造の薬であるにもかかわらず、躁病に効きます。ただ、ほかの薬より中毒症状を起こすこどが多いので、用心深く使用すべきです。ときどき血中濃度を計る必要があります。この薬の出現は、躁病に悩んでいた患者さんに明るい期待を与えました。しかし、炭酸リチウムだけで躁を抑えることはむずかしく、抗精神病薬の鎮静作用の強い薬を併用します。炭酸リチウムの副作用は手の震えやめまい感、耳鳴りなどです。副作用があると思ったら、すぐに主治医と相談すべきです。炭酸リチウムは躁のみならず、うつにも予防効果があるといわれており、うつと躁の両方がある二相性躁うつ病(双極性障害)には重要な薬になっています。抗不安薬について抗不安薬は、従来、マイナートランキライザーといわれているものです。ベンゾディアゼピン系が中心的に使用されています。ベンゾディアゼピン系の抗不安薬は、クロールプロマジンのような抗精神病薬と同じように、 一九五〇年代ないし六〇年代にかけて見いだされました。効果の発現も比較的早く、数十分から数時間以内に現われます。その意味でも、抗不安薬は重要な薬となっています。

 

ベンゾディアゼピン系の抗不安薬の代表的なものとしてセルシンが有名で、 一般名はディアゼパムです。このセルシンが抗不安薬の基本的なものです。これよりやや効果を強くし、抗不安薬作用のみならず、抗うつ作用も多少みられるといわれるクロキサゾラム(セパゾン)、プロマゼパム(レキソタン)、 ヨフゼパム(ワイパックス)などが開発されています。抗不安薬は、今では次第にクロキサゾラムが中心的な薬となってきています。強迫神経症(強迫性障害)といった頑固な強迫観念や強迫行動のある患者さんには、プロマゼパムなどの強い抗不安薬が必要です。

 

 

抗不安薬は筋弛緩作用があるので、ときにストレスから肩の凝る人にも使用します。ベンゾディアゼピン系の抗不安薬の副作用は眠気、ふらつきが主です。これも眠気やふらつきの少ない薬が、徐々につくられてきて改善されています。睡眠剤も、ベンゾディアゼピン系が主流になってきています。さまざまな薬が開発されていますが、ベンザリンと呼ばれている眠剤が一番多く使われています。目党めてからのだるさ、眠気といった訴えを軽くするようにつくられています。寝つきをよくするのが主体のものと、睡眠時間を持続するのを目的としたものとがあり、睡眠剤といってもかなりきめ細かくなっています。